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「誰もが志を持ち、命が輝く世界を未来に残す」第5回世界青少年「志」プレゼンテーション大会実行委員長へのインタビュー

「誰もが志を持ち、命が輝く世界を未来に残す」第5回世界青少年「志」プレゼンテーション大会実行委員長へのインタビュー

今年で5回目の開催となる世界青少年「志」プレゼンテーション大会は、2022年10月10日(月祝)の開催(於:東京ウィメンズホール+オンライン)に向け、準備を進めています。その実行委員会の中心として旗を振り続ける委員長、小出潤氏。小学校教師であり、2児の父であり、そして自身が代表を務める「夢志教師塾」や「吉田松陰流教育研究会」の運営を行うなど、多忙な生活を送っています。それにもかかわらず、本大会の実行委員長を引き受け、活動する理由は何なのでしょうか。その想いと「志」の背景に迫りました。

小出潤

Koide Jun
第5回世界青少年「志」プレゼンテーション大会実行委員長/小学校教師/もののふの会副会長/吉田松陰流教育研究会会長/夢志教師塾代表/東京綜學院第1期生

一人一人の命を最大限に輝かせる世界一熱い教育者となり、地球人皆で真の大和の世界創りをやり抜く!

自分が生きる意味を見つけられず、苦しかった学生時代。
窮地に立ったときに浮かんできたのは

小出さんが世界青少年「志」プレゼンテーション大会(以降、WYK:World Youth Kokorozashi)と出会ったときのことを教えてください

私は、第3回のWYKから実行委員に加わりました。初めてこの大会を見たとき、自分の志ややりたいことを生き生きと語る青少年の姿や、それを支える実行委員、そしてこんな活動を大きな組織として取り組んでいるたくさんの人たちがいることに感動を覚え、すぐに実行委員になることを決めました。私がずっと求めていたものがここにすべてある、と確信したのです。

小出さんがずっと求めていたもの、とは何ですか?

私の原点を少しお話させてください。私は、静岡県清水市の出身で、明るく元気でいつも笑顔あふれる母と、面白くて地域のために貢献する父のもとで育ちました。自分で言うのもなんですが、温かい家族の中で純粋な心を育ててもらったと思っています。

中学2年生で進路を決めるとき、特別になりたいものがなかった私は、『自分は何になれるかな?』と台所に立つ母に相談しました。そうしたら、「潤は人を相手にする仕事に向いていると思うよ。機械やものではなく人間を相手にした仕事がいいんじゃない?教師はどう?」と言われました。

「教師か、いいな、自分にあっているかもしれない」と思い、教員免許を取るべく大学に進学しました。この時は、何のために教師になるのかということは深く考えずに単純に「いいな、やってみたいな」という気持ちでした。

大学入学後は、苦しかった受験のための勉強から解放され、サークル活動やバイトに明け暮れる毎日でした。大学3年生の時、転機が訪れます。卒論を書くために、テーマを決めなければなりませんでした。これまで自分でテーマを決めて学ぶということをやった経験がなかった私は、自分自身でテーマを見つけろといわれても何も思い浮かばず、困ってしまいました。そこで初めて、自分の中に何もないことに気づいたんです。

今でこそ、「総合的な学習の時間」や「総合的な探究の時間」といった、自分や社会に対するテーマを考える機会が学校教育に組み込まれていますが、小出さんはこのとき初めて求められたのですね。

そうなんです。教育に対しても社会に対しても「こういう風にしたい」とか「こういう課題意識をもって勉強したいんだ」ということがなくて、大学4年生の夏になっても卒論のテーマが決まりません。周りの友達はどんどんテーマを見つけていき、やりたいことがはっきりしていてすごくうらやましかったです。私は何のために勉強しているのだろうか。なぜ教師を目指しているのだろうか。いや、そもそも何のために生きているのか?自問し続けました。

そして私は、自分の生きる意味が分からなくなってしまい、答えが出ず鬱になりました。部屋に引きこもって、電話にも出ず、友達からも心配され、約1ヶ月間、外に出ませんでした。本当にその時は辛かったです。自分の生きる意味がわからない、情熱を注げるものがない、これこそ本当に辛いことでした。そんな自分の姿を人に見せることも嫌で、最後、追い詰められた私は包丁を手にしました。「もう命を終わりにしよう」そう思ったんです。

しかしその瞬間、両親の顔が思い浮かびました。

「こんなところで死んだらあかん!何をやってるんだ俺は!ふざけんじゃねえ!」

包丁を投げ捨て、涙がとめどなくあふれてきました。真剣に生きなきゃ。こんなところで死んだら、両親泣くぞって。お前を一生懸命温かく育ててくれたじゃないかって。

これから生きる子どもたちに同じような想いをさせてはいけない

小出さんにそのような時期があったとは知りませんでした。その後、どうなったんですか?

そう思ったら今度は意識が周りに向いたんです。私がやってしまったこのような過ちは、子どもたちに経験させてはいけない。そんな想いが湧いてきました。子どもたちが学び、大学を出るときになって、何をするのか、何のために生きるのかということがわからないまま大人にしてはいかん。そこで初めて、私の志の種ができました。子どもたちが自分の生きる意味を一緒に考えられる。生きることは辛いことではなく、とっても希望のあふれることなんだということを伝えていきたい。そのときに書いたノートがこちらです。

『生きる 希望 それを繋ぐために。 俺は 教師になる 2008.3.30 志 決してあきらめないこと それを自分自身への厳かな誓いにする』

それから15年。私は教師になり、志の教育を日本にしっかりとよみがえらせようと学校外でも活動してきました。始めは一人でした。吉田松陰先生の教育と出会って、吉田松陰研究会を立ち上げました。初めはブログで一人で綴っていて、あまり共感してくれる人はいませんでした。応援してくれる人も何人かいましたが、力不足を感じていました。

そんなとき、大きなプロジェクトと出会いました。それが一般社団法人志教育プロジェクトであり、WYKでした。第3回から実行委員として関わり、素晴らしい大会であると実感しました。教育において「志」が最も大事だという想いをもって活動しているということを知り、とても心強く、大きな味方がいたなと。自分もこの船に乗っかって、一緒にやりたいと思いました。

そしてWYKの大会本番で青少年の「志」を聞きました。私は涙があふれました。本気の志は、こんなにも人を感動させるんだ。自分もこの大会とずっとずっと共に歩んでいきたい、そしてもっともっと大きな大会により多くの青少年に届けていきたいと思いました。

自分の本当の志との出会い。魂のフィードバックで命が輝きだした

そして小出さんは実行委員として毎年関わってきたのですね。今年実行委員長を引き受けたのはなぜなのですか?

実行委員として活動しているときに、私自身は、本気の志を持てていないんじゃないか、ということに気づいたんです。まだ自分の中で生きる意味、生まれてきた意味が胸を張って言えるものではなかったんです。

そこで、「志共育基礎講座」という自分の志を見つけていく講座に参加しました。お金もかかりました。3日間に渡る講座の最終日は、朝から晩まで自分の志に向き合いました。自分の志のプレゼンをみんなの前で繰り返し行うのですが、なかなか本当の志にたどり着けませんでした。頭で考えていて、自分の気持ちを言えない。なにかやっぱりちょっと自信がない。そんな自分でも何ともしがたい殻を破ってくれたのが、第1回から第3回のWYK実行委員長を務められた北見俊則さんの叱咤激励でした。私に向かって、

「潤!!もっと怒(いか)れ!!もっと本気になれ!!お前が世界を変えるんだ!!!」

zoom越しに北見さんの魂が伝わってきました。私は涙が止まりませんでした。世界を変えるんだ、なんて大それたこと、今まで口にもできなかったことを、本気で自分のことを信じて応援してくれる人がいる。そう思うだけで、心の底から何かがはじけて、嬉しさと同時に自分の命の意味を感じたのです。

私はこの時に、『一人一人の命を最大限に輝かせる世界一熱い教育者となり、地球人皆で真の大和の世界創りをやり抜く』という自分の志を立てました。本当の立志をした夜、全く眠れませんでした。居ても立ってもいられず、外に出て満点の星空を仰ぎながら明け方まで5,6時間歩き続けました。

自分の生きる意味が分かってとっても嬉しかったんです。そして、このためだったら、私は自分の命を捧げられる。生きている意味があるってことに自分で気づいて、本気の志ってこんなに嬉しいんだなってそう思いました。

「誰もが志で繋がる世界を創る」実行委員長としての想い

これが小出さんの「本当の志」との出会いだったんですね。そのフィードバックをしてくれた北見さんが実行委員長のバトンを第4回の実行委員長・箸本さんに受け継ぎ、そして今年、小出さんが受け取られました。どのようなお気持ちですか?

とても重いバトンで、どうしようかなと思った時もありましたが、『こんなところでくじけてはならん。自分の志を思い出し、そしてこの大会を本気で成功させるために立つんだ』と覚悟を決めています。この第5回WYKは、志に生きる人たちがこれから大きく広がっていくために必要不可欠な世界的な大事業だと思っています。2022年、世界では新たな紛争が起きました。日本では自ら命を落とす人が年間2万人を超えています。この事実を私たちは深く、深く受け止めなければなりません。

「誰もが志でつながる世界を創る」

これは第1回から掲げてきた大目標です。それは何のためなのか、私は考えました。

現代の地球の問題を解決するためだけではありません。今この地球に生きている誰もが、志に生きる世界をつくれたら、これから続く未来に、すべての命が輝き続ける地球がつくれるのではないか。そのために繋がり努力し続けることが、今を生きる地球人の使命なのではないか、と気づいたんです。

まだまだ力が及んでいない部分もあります。でも、WYKの実行委員長として、この目標をあきらめてはいけない。自分一人で成し遂げることは難しいです。しかしこの大会を盛り上げようと応援して下さるみなさんがついています。

地球に住む皆が、世のため人のため皆の幸せのために、自分の命を最大限に輝かせる。そんな人類で溢れたらどんなに素敵な地球になるでしょうか。そこを目指して私たちはこれからも歩み続けます。そして私たちのこの志を後の世代に引き継いで、この未来をかならずや成し遂げていってくれるだろうという思いで、この大会を歩んでいきたいと思っています。

小出さん、WYKとそして地球の未来に向けた熱い想いをありがとうございました。最後に、小出さんの志とWYKへの意気込みをお願いします!

私の志は、「一人一人の命を最大限に輝かせる世界一熱い教育者となり、地球人皆で真の大和の世界創りをやり抜く」ことです。そして、WYKがもつ大使命。それは、「未来永劫に万物の命が輝く地球であり続けるために、世界の青少年が志を立て、誰もが志でつながる世界を創ること」です。これを、この大会に関わってくださる皆さんと一緒に、成し遂げていきたいと思います!

小出さんの熱き志の背景を知ることができて本当に感動しました!WYKの成功を応援しています!本日はありがとうございました!

 

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この記事を書いた人

KOKOROZASHIマガジン編集部