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ファイナリストの成長ドラマに伴走した若きスタッフ3人が語るWYKの舞台裏

ファイナリストの成長ドラマに伴走した若きスタッフ3人が語るWYKの舞台裏

満足度100%*を記録した、「第5回世界青少年『志』プレゼンテーション大会(以降、WYK)」。壇上で生き生きと自身の「志」や活動を語る12名のファイナリストたちの姿は、多くの人に感動と勇気を与えました。ファイナリスト一人一人のパフォーマンスを高める過程には、「志」を磨き・表現するための研修プログラムと、彼らの成長を影で支え続ける大会スタッフの存在が欠かせませんでした。今年で5回を迎える大会の舞台裏を支えるスタッフは、どのような想いでWYKに関わり、ファイナリストの成長を見てきたのでしょうか。若手スタッフの3人に、ファイナリストの変化の様子や大会の隠れたエピソードを聞いてみました。

*‥第5回WYK参加者にとった「事後アンケート」より

※第5回世界青少年「志」プレゼンテーション大会の活動レポートはこちら

諸留卓

Morodome Taku
第5回世界青少年「志」プレゼンテーション大会副実行委員長/SASUKE予選会出場/ワールドクラスパートナーズ株式会社勤務

宮崎あかり

Miyazaki Akari
第5回世界青少年「志」プレゼンテーション大会実行委員 プレゼンターチームリーダー/中学校教員

箸本知希

Hashimoto Tomoki
一般社団法人志教育プロジェクト執行役員「志プラットホーム」代表/第4回世界青少年「志」プレゼンテーション大会実行委員長/株式会社LITALICO勤務

熱い「志」が引き寄せた、95年生まれの3人

本日はお時間を作っていただき、ありがとうございます!はじめに、自己紹介をお願いします。

箸本

じゃあ僕から・・箸本知希(はしもとともき)、みんなからは「とってぃー」と呼ばれています。昨年まで小学校の先生をしていましたが、今年の春から株式会社LITALICOに転職し、特別支援が必要な子どもたちのサポートや先生・学校の支援を行っています。第4回大会の実行委員長を務めたことをきっかけに、大会が終わってからも志教育プロジェクトの執行役員として、ファイナリストや若者を応援する大人たちが志でつながる場、「志プラットホーム」の運営をしています。第5回WYKは、当日スタッフとして前日と当日参加しました。

諸留

第5回WYKの副実行委員長をさせていただきました、諸留卓(もろどめたく)と申します。実行委員会へは今年からの参加です。体操をずっとやってきたので、体を動かすことが得意です。先日は念願のSASUKEに挑戦したのですが、予選の腕立て伏せで惜しくも敗退してしまいました・・(涙)

宮崎

あと数回できていたら予選突破していたんですよね。私は、今大会のプレゼンターチームのリーダーを務めました、宮崎あかりです。プレゼンターの募集からファイナリストの当日のサポートまで、プレゼンターに関わること全般を行ってきました。ふだんは、中学校の教員をしています。

編集部

ありがとうございます。実は、3人は同い年なんですよね?

宮崎

そうなんです、たまたまですが、みんな95年生まれです。同い年だと気づいたのは出会ってしばらく経ってからだったんですけど、気心が知れた仲間として時々ご飯を食べに行ったりしています。

プライベートでも仲良しな3人

今回の大会をつくるにあたり、中心的な若手メンバーだった皆さんですが、そもそもWYKを知って、実行委員をやろうと思ったきっかけは何だったんですか?

箸本

僕が一番長くて、第2回から関わっているんですけど、きっかけは、志教育プロジェクトの専務理事の北見俊則さんと出会ったことですね。横浜の教員の勉強会に参加していた時、懇親会でたまたま隣の席になった北見さんが、熱く語るおじさんで(笑)WYKの話を熱烈にされて、たまたま第1回のファイナリストが僕の友人だということで話が盛り上がって、「え~そうなの!?それは実行委員やるしかないよー!」という北見さんの一言で、実行委員をやることになりました(笑)

第1回~3回実行委員長を務めた北見俊則さん(左)と箸本さん

編集部

それは奇跡の出会いですね・・(笑)北見さんも元々中学校の先生なので、先生同士の繋がりだったんですね。あかりさんは?

宮崎

私は第3回からの参加なのですが、きっかけはとってぃーですね。学校の先生をやりながらこんなに活動をしているすごい人がいるんだなって注目していまして(笑)そんな時に、第2回のWYKの映像をYoutubeで見たんですよ。そしたら若者達の熱量がすごいなって、日本は捨てたもんじゃないと思って、自分も若者の手助けになりたいと思ったのが最初です。始めは、実行委員とは言えない関わり方で、「眺めていた」という表現があてはまるかなと・・(笑)第4回の時も普通の実行委員で、できることしかできない・・という状態でした。

編集部

第5回ではなぜプレゼンターチームのリーダーになったんですか?

宮崎

最初はすごい断っていたんですよ!私にはできないって。でも、第5回のキックオフ実行委員会のときに、実行委員長の小出潤さんの熱い想いと「志」を聞いて、いつの間にか「やります」って言っていました(笑)

編集部

その時に印象に残っていた潤さんの言葉はありますか?

宮崎

細かい話は全然覚えていないんですけど、「伝説の大会をつくる」と話していたので、一緒に伝説をつくりたいなと思って、「やります!!」と即答で(笑)その時が卓ちゃんと初めて出会ったときだったと思います。

第5回実行委員長の小出潤さん(右)と打合せをする宮崎さん

編集部

諸留さんはどうして実行委員会に参加したんですか?

諸留

僕は、他の団体のイベントスタッフをやっていたときにとってぃーさんに出会って、何度か会う中でWYKを知って、昨年の大会のアーカイブを見て感動して、2021年の12月から実行委員会に参加しました。でもあかりさんと初めて会ったキックオフの会では、もう何が何だかわからない状態で・・

箸本

卓ちゃんは終始ぽかんとしていたよね(笑)

編集部

そうなんですね。そんな中、いつの間に副実行委員長になったのですか?

諸留

今年(2022年)の1月か2月くらいに副実行委員長をやってみたらと実行委員会の総務の方に言われて。僕はそんな器ではないし、断ったのですが、すごく成長する機会だからやってみたらという話をいただいたのと、実行委員長の潤さんから、「ぜひタッグを組んでやりましょう」と声をかけていただいて、徐々にやる気持ちが固まっていきました。

編集部

北見さんと小出さん、そして箸本さんの熱い「志」が3人を引き寄せたのですね。

ファイナリストたちの魅力を引き出す「ハイパー志プレゼンテーション講座」

今回の大会では12名のファイナリスト達の変化を一番近くで見てきた3人だと思うのですが、最初にファイナリストたちと出会ったときの印象はどうでしたか?

諸留

僕が公式な場で初めてファイナリストと会ったのは、9月のオンライン研修の時でしたね。緊張しているからなのか、遠慮しているというか、少し控えめだなという感じで、ファイナリスト同士で話すというよりも、実行委員とだけ話す一方向的な関係でした。その一方で、210人の応募者の中から選ばれた少数精鋭で、前途有望というか、希望の光というか、次世代リーダーの卵だなぁと、彼らに頼もしさを感じていました。

編集部

なるほど。その後に会ったのは大会2日前のプログラム「ハイパー志プレゼンテーション講座」ですね。この講座で何人かのファイナリストが一緒にプレゼンテーションのトレーニングを受けたと思うのですが、その時はどのような印象でしたか?

宮崎

そうですね・・それぞれ、想いはすごくあるのに、それがまだ言葉に乗っていないかなという印象でした。でも、講師の大森健巳さん(ワールドクラスパートナーズ株式会社)のご指導によってファイナリストの殻が破けた瞬間が見えて、そのときから一気に変わっていったんですよね。

講師の大森さん(左)から発声の指導を受けるファイナリストたち

諸留

たしかに。前半は大森さんからのレクチャー、後半は一人一人がステージで個別具体性の高いフィードバックを受けたのですが、発声、身振り手振り、ステージの使い方など具体的に指導してもらい、一人一人が劇的に成長していきました。

宮崎

あのクールな杉本雄飛さん(ファイナリスト)が、突然「ふん!」っていう格好をしたんですよ、膝を曲げて腰を落として、スクワットみたいな。それまでの雄飛さんは、「僕の志は~」って冷静に言っていたんですけど、このポーズをして志を宣言した時の言葉のパワーが、本当にすごくって。その場にいたみんなが「あ、今変わった!」って思うくらい。

大森さんのフィードバックを受けファイナリストたちのプレゼンが進化し始める

諸留

たしかに、それは感じましたね。潜在能力というか、秘めているものを大森さんに引き出されたなという感覚ですね。雄飛さんは、緊張からなのか、重心を左右に揺らす癖があったのですが、大森さんから、「膝をまげてどしっとかまえて声を出そう」というアドバイスがあって、太い声になったんです。

宮崎

最初みんな、つくってきた文章を頭の中で追いかけている感じだったんですよね。「私はこうでこうで・・」って。でも、大森さんはとにかく「これを伝えたいという一文を伝え続けろ!」とおっしゃっていたんですね。「『今』自分が伝えたい『想い』を言え!」と。それで、最初は恥ずかしがってなのかちょっと薄っぺらい感じの言葉だったのが、何度も言い続けているうちにどんどん想いが乗っていき、それぞれにブレイクスルーポイントがあって、ひとりひとりのプレゼンテーションが、少しずつ変化していきました。

諸留

このプログラムを通して、ファイナリスト同士の距離も縮まってきた感じでしたね。ペアワークもあったので会話も増えてきて。

宮崎

そうですね。でもまぁまだ他人っていう感じで、敵?ライバル?そんな感じでした。「自分のプレゼンどうしよう。明後日だ、どうしよう」という。でも、この講座の後、宿泊場所へ移動するバスの待ち時間などで、少しずつお互いの関係を深めていっていたと思います。

箸本

どんな話をしていたの?

宮崎

大学でどんなことを学んでいるの?とか留学行ったときどこに行ってたの?とか割と真面目な話をしていました。でも次の日の朝になったら、急に瑛志さん(ファイナリスト)が、「渋谷の109見てみたいんですよ」「じゃあみんなでスクランブル交差点で写真撮ろうぜ」という話になっていって。真面目な話から徐々にたわいのない話になって、距離が縮まっていったのではないかなと思います。

諸留

恐らく、夜も一緒にプレゼンの練習をしたり、お互いにフィードバックし合っていたことも大きかったのではないですかね。

宮崎

そうですね。でも一番距離が縮まったのは、翌日の前日フェスで行った、「志リレー」だったと思いますよ!

箸本

わ~い!

本気でプレゼンを磨き合った「前日フェス」

前日フェスにはファイナリスト12人全員が集まって、最後のプレゼン練習をしたのですよね。「志リレー」とは何ですか?

宮崎

「志リレー」は、とってぃーの企画・運営で行われた前日フェスのプログラムの一つです。

箸本

端的に言うと、他の人の志を自分事として考えて、発想力を豊かにしてその志を実現するために、どんなことができるかということをグループで一緒に考えていくワークです。それぞれ自由な発想で、制限を取っ払って、こういうのもあるよ、ああいうこともできるよとディスカッションをしていきます。それが本番のプレゼンの中に入るかどうかは置いておいて、一度膨らんだアイディアは、後の活動に影響があったり、人生が変わるかもしれないし、そんなきっかけになるといいなと思って企画しました。

宮崎

実行委員とファイナリストも和気あいあいで、みんなすごく楽しそうにやっていたよね。ここでも距離が縮まったかなと思いました。

志リレーでお互いの「志」の未来を自由に発想する

箸本

そうですね。やっぱり前々日から参加していたファイナリストと、その日に合流したファイナリストとの間には温度差があったと思うんですよ。スケジュール上、仕方がない部分ではあったんですけど、でも、お互いに関わり合う時間がしっかりととれたので、ファイナリストと実行委員の距離感もこのワークで縮んでいったように見えましたね。

編集部

それぞれのグループの発表もとても面白かったですね。その後、本番に向けてそれぞれのプレゼン練習に入っていったと思うのですが、見ていてどうでした?

宮崎

私が驚いたのは、実行委員からだけじゃなくて、プレゼンター同士ですごくアドバイスをし合っていたんですよね。今考えてみると、その時間がすごく大事だったのかなって思って。前日はライバルという感覚だったのが、少しずつ「一緒に頑張る仲間」になっていったのはこの時間があったからこそだったのかなと思います。

箸本

いやー、想像以上にみんなのフィードバックが辛口でしたね(笑)特に、ファイナリスト同士のフィードバックが。ここまで言うんだと思って聞いていたんですけど、そのフィードバックは確かに改善したらいいところなんですよね。お互いに本気で関わっていてすごいなと思いました。

宮崎

小学生のゆうくん(ファイナリスト)もめっちゃフィードバックしていたよね。

箸本

うん、すごかった。

海外プレゼンターの2人(ヘンリーさん、カリスさん)も通訳の方に入ってもらって一緒に参加していましたが、いかがでしたか?

箸本

僕は、第2回WYKの時から海外の方がいる前提で場をつくっていたんですけど、例年見てきて、今年はダントツで溶け込めていたと思います。以前は、今ほど通訳の体勢が整っていなくて、通訳の方を現地から当日呼んでいたので、そもそも前日フェスには海外の人が参加しにくかったのです。でも、今回はありがたいことに前日フェスから通訳の方にサポートしてもらえたし、過去ファイナリストの愛凛七さんも来てくれて必要に応じてサポートをしてくれたし、その存在は本当に大きかったですね。もちろん理解が難しいところもあったと思うんですけど、困った感じはあまりなかったかもしれないです。

海外プレゼンターがいるグループには通訳が入ることで一緒に練習が可能に

編集部

通訳チームの活躍も素晴らしかったですね。前日フェス終了後は、グループに分かれて食事に行ったのですか?

宮崎

はい、ただ、ファイナリストの数人から、「ファイナリスト同志でもっと一緒にいたい」という希望があって、若者主体の大会なのだから、それもいいなと思い、急遽、実行委員長の潤さんに提案したんです。「ファイナリスト6人+実行委員の若者3人になるように食事のグループを組み替えて、ファイナリスト同士の縁をつくる夕食の場に変更してはどうですか」って。潤さんも「そうしましょう」ってすぐに言ってくださって。それが逆によかったなと思いました。

編集部

グループの組み替えは、急遽決めたことだったのですね!

諸留

僕は副実行委員長として、若者主体の大会にするというテーマを一年間通して掲げてきたので、あのような場を状況に合わせてつくってくれたあかりさんにはとても感謝しています。僕は先に宿泊場所に帰ったのですが、帰ってきたファイナリストたちの表情はとてもよくて、いい時間になったのだと感じました。志という心の中の深い部分を共有しているということで、通常の関係より、信頼感があるようにも感じました。より相手の本質に迫っていけるんだという許可が降りているような。

編集部

「志」でつながる仲間、という関係性ができてきたようですね。この日の夜も、長かったと聞いていますが?

宮崎

いろいろありましたね~。前日フェスの夜はファイナリスト同士でディスカッションしたり、お互いのプレゼンにフィードバックし合ったり。「日付を越える前までに最終の発表スライドを送ってね~」ってファイナリストたちに言っていたんですけど、最後夜中の3時半ぐらいにスライドを送ってきた子もいました。もう寝て~!っていう気持ちでしたが(笑)

編集部

みんな最後の最後までプレゼンを磨いていたのですね。

宮崎

そうですね。そして私たち実行委員も、当日に向けた最終調整をしていて、ほとんど眠れていないです。

箸本

あかりちゃんは40分くらいしか寝ていないんじゃない?当日スクリーンに投影するスライドの編集をしていて、何度か「これでいいか、終わったか!」というタイミングが3回くらいあったんですけど、最終確認してみると、何でここで!?という文字化けや大事なロゴが逆さまになって出てきたりとか・・・

宮崎

もはや私たちも限界を越えて笑うことしかできませんでしたね・・(笑)この日、卓ちゃんが体調よくなくて、とってぃーと「卓ちゃんのためにがんばるよ!」を合言葉に頑張っていました。

箸本

それしか言ってないね。

諸留

本当に頭が下がります。

箸本

いやでもこれがないとね、大会ができないからね。

宮崎

結局完成したのは4時くらい。夜明けとともに。

箸本

僕はこのあと寝たよ。

宮崎

私は不安で眠れなくって・・できたスライドをクラウドにあげたりバックアップをとったりしていて、Wi-Fiのつながるところがロビーしかなかったので、そこでずっと作業していました。

編集部

本当にお疲れ様でした(涙)。

いよいよ本番。実行委員の醍醐味とは

そして迎えた当日、どんな気持ちでした?

宮崎

午前中はもうとにかく、ファイナリストたちにはリラックスしてほしいなと思っていて。緊張を和ませるために、たわいもない話をしていましたね。その日のお昼に瑛志さんが「ゆうくん、ごはんいこうよ」って誘ってくれたりとか、莉桃さんが不安そうだったことを心配した風子さんが優しく話を聞いてくれたりとか、雄飛さんと美瑠さんと祐人さんが3人で楽しそうに話していたりとか、プレゼンター同士がお互いに励まし合っていたなと思いますね。最後、会場に向かう前に控室で円陣を組んだんですよ。ヘンリーさんに掛け声をお願いして、「いくぞー!」って。

本番直前、円陣を組む宮崎さん(左下)とファイナリストたち。

箸本

12人が一つになった瞬間でしたね。

宮崎

そうなんです、もうライバルじゃなくて仲間になっていて。プレゼンにいく前も、みんなで「大丈夫だよ、がんばれー」って声を掛け合ったりしていて。一人一人のプレゼンが終わったときには、みんなが喜んでいたんですよね。お互いにグータッチして。その姿が本当に嬉しかったですね。ただのプレゼン大会ではなくて、志でつながるっていうところをつくれたんじゃないかなって。

編集部

それぞれのプレゼンテーションも素晴らしかったですね。諸留さんは、最前列の特等席で見ていていかがでしたか?

諸留

本当に感動的でした。タイムキーパーが僕の役割だったのですが、プレゼンにのめりこんでしまいました。それぞれにいろいろな想いを抱えた上での発表で、力強さも感じましたし、ここでの発表自体がものすごい挑戦だった子もいて。僕は個人的にファイナリストとやりとりすることが多かった立場上、それぞれの想いや成長、いろいろなものがこみ上げて涙が出てくるシーンもありました。

編集部

一人一人が本当に輝いていましたよね。舞台袖で、ファイナリストにピンマイクをつける係をあかりさんがやっていたと思いますが、その時の気持ちは?

宮崎

みんなそれぞれ舞台裏ではふにゃふにゃしていたりガチガチだったりしていたんですよ。緊張をほぐすためにふざけた話をしたり激励したり・・最後、背中をタッチしたタイミングで舞台に上がってと言っていたんですけど、そのときに「いってらっしゃい」って声をかけていましたね。

箸本

そのときにファイナリストが前を見ながら「うん」って小さくうなずいて出ていくのが感動的だったよ。

宮崎

それはやっぱり前の二日間があったからこそですかね。

緊張しながらも、堂々と自分の「志」をプレゼンするファイナリストたち

箸本

あかりちゃんとファイナリストの関係性がすごく素敵でしたよね。僕は、舞台裏で他の実行委員と連絡を取り合いながらバタバタしていたんですけど、最近はずっとオンラインでやってきたから、やっぱりリアルはいいなあと思いました。オンラインだと一回も会わずに大会が終わる・・ということもあって、ファイナリスト同士の横のつながりが作りづらかった。だから、今回は本当に念願のリアル開催で、あかりリーダーが本当によくやってくれました。ここまで横のつながりを作れたのは、あかりちゃんなしではできなかったなと思いますね。あ、泣きそう?

宮崎

いやいや(笑)ありがと!

箸本

あと、卓ちゃんも本当によく頑張ってくれたなと思っています。

諸留

恐縮です。副実行委員長の立場としては、たくさん反省もありますね。「若者主体」を掲げて大会をつくってきましたが、大人の自己満足で終わっていないか?ファイナリストや、応募してきてくれたプレゼンターにとって本当によい大会になっているか?緊急性の高いことに忙殺されてしまうのではなく、やるべきことを一貫してやるべきだったなという。

「若者主体」という大会に対するテーマがあったからこその振り返りですね。お三方が、実行委員をやってみてよかったと思うことはなんですか?

箸本

僕は今年、前日・当日スタッフとして関わったのですが、今までのことも踏まえると、やっぱりいろいろな人の力なしではこの大会はつくれなくて、その大会をつくっている一人であるということ、涙あり感動あり笑いありという場をつくらせてもらっているというのは実行委員の特権だしありがたいなって思います。他の団体が運営するプレゼン大会に参加したことが何度もあるんですけど、WYKは特に、一度繋がった関係性を大事にしたいという想いのある人たちが自然と実行委員として集まって来てくれていると思っています。これからも、志を立てようとしている人や志を立てた人たちがどんどんつながって、やりたいことを体現した大人が増えていってほしいなと思っています。関われたこと自体が嬉しいなと思います。はい、あかりちゃんどうぞ。

前日フェスで「志リレー」を担当する箸本さん。ファイナリスト同士がこれからも繋がり合うことを意図する

宮崎

大会自体はたしかにとても大変だったんですけど、やっぱりプレゼンター同士が繋がる場をつくれたことがよかったですね。それに、プレゼン大会で終わりではなくて、その後もラジオ出演や他のイベントなど、プレゼンター同士が会う場をつくれたっていうのが一番の喜びです。将来的に、志を達成する仲間になっていって、例えば他の子のイベントに応援しに行ったり参加したりして、お互いがお互いの志を応援していたら本当に嬉しいと思います。

諸留

本当にそうですね。僕は・・副実行委員長をこのタイミングでやらせてもらえたことは、人生のターニングポイントの一つだと思っていて、今まで自分がサービスを受ける側から作っていく側に変わったということもありますし、プレイヤーからマネージャーに、という変化もありますし。あとは、隠れ目立ちたがり屋の自分が黒子になってサポートする側の楽しさを知ったという面もありますね。という意味でも、この2022年はいつか自分が死ぬときに思い出す一年になったかなと思います。

全体を見ながら次の指示を考える副実行委員長の諸留さんと、ファイナリストの様子を見て次の動きを相談する宮崎さん

本業もある中でそれぞれに本当に忙しい1年だったと思いますが、その言葉を伺えてよかったです。最後に、今後の抱負を教えてください!

諸留

僕の名前は「卓」なんですけど、「一秒前の自分から卓越する」という人を増やしたいと思っています。一秒前の過去の自分から常に進化する、どんな小さなことでも進化する。常に変わっていく社会・組織が増えれば、幸せな社会になると思っているんです。それを実現するためのひとつの手段として世界青少年「志」プレゼンテーション大会をとらえているので、その目的を果たすためにこの自分の有限の時間を何に使うのか、今はまだ決め切れていないですけど、手段はどうなるにせよ、自他ともにスポットライトをあてて、進化する人を増やすというところを頑張っていきたいなと思っています。

箸本

僕としてはこれからも、ファイナリストや志ある大人たちが繋がり合って、高め合っていけるような場を創っていきたいと思います。WYKを継続的に開催していくためにも、志教育プロジェクトの一員としてできることをしていきたいと思っていますし、僕が運営している「志プラットホーム」が、大会の同窓会組織としてあり続けられるように、持続可能な運営をしていきたいと思っています。

宮崎

いいね~。私自身は、WYKに触れたからこそ、いろいろな人に志をもつきっかけを届けられたらなと思っています。「志をもてー!」という感じではないのですが、きっかけになったらいいなって思います。モザイク(志教育プロジェクトが取り組むHOKUSAI志モザイクアートプロジェクト)も友達に書いてもらったりしているんですけど、「改めて自分の志を考えるきっかけになったよ」って言われたりして、これだなって思ったんですよね。大会自体も、やりたいことを深めていくきっかけになるといいなと思いますし。最後にですが・・今回、私が悩んだりしてぴーぴー言っているのを卓ちゃんがスポンジのように吸収してくれ、とってぃーが当日もたくさんフォローしてくれたからこそ、最後までやれたと思っています!二人とも、ありがとう!

諸留

いやー、こちらこそです!

箸本

これからも一緒にやっていきましょう!

編集部

素敵ですね、この3人の関係が!ということで、第5回WYKの裏側を、3人にお話していただきました。舞台を見るだけでは知りえなかった苦労や、ファイナリストの成長の軌跡を知ることができました。改めて、お疲れ様でした!そして、本日は本当にありがとうございました!

前日フェス終了時の集合写真

<関連リンク>
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この記事を書いた人

KOKOROZASHIマガジン編集部